87年製のフェンダージャパンのテレキャスター、30年使用し、ピックアップの劣化、特にフロントポジションのパワーアップを目的に、ピックアップの交換を行った。楽器屋さんにお願いせず、作業してみた。


1.準備

検討段階でいろんなサイト・ブログを見た。
すごい情報量で、読み切れない。磁気・電流等は読んでもわからない場合も多い。
複数読んで、共通する事項を参考にした。
アマゾン、楽天のユーザー評、ギターマガジンなども参考にした。

◎交換の目的


元々装着されていたシングルコイル(フェンダーUSA純正)をフェンダーに
こだわらず、他のメーカーのものへ交換することで、変化を確認しかった。
交換効果として、主にパワーアップ、音抜けの良さを重視して、検討した。
特に、フロントのパワー不足に困っていて、それに関連して、ミックスポジションも
イマイチ気に入らない。リアに不満はあまりないが、以前ストラトキャスターの
ピックアアップを交換した時、リアのみ交換してバランスが崩れたので、セットで交換する
こととした。

(なお、パワー不足の解消方法として、いっそ、リア・フロントともにP-90に交換することも検討したが、キャビティの問題もあり、中止した。ただし、P-90への交換は、音の変化はかなり期待できる改造と見られる。参考→ピックアップの選び方・音は見た目と比例する?改造の前に検討すべきことは?

また、ピックアップの回路も変更することを検討した。
テレキャスターの3ポジションは、年代・モデルによってバリエーションがある。
一番一般的な3ポジションは
①リア、②センター(リア+フロントの並列ミックス)、③フロント
国産コピー機はほとんどこれ。

フェンダー50年~52年式とその精巧なコピー器は、
①リア、②フロント ③フロントのハイカット(プリセットトーン)
である。なんとレア+フロントのミックスが出ないのである。

私のフェンダージャパンは、52のコピー器パターンである。
これを一般的なパターンに変更する。


◎ピックアップ磁石の大まかな種類


①アルニコ(アルミ、ニッケ、コバルトの混合)
アルニコ2、アルニコ5が代表的。
これが本流され、シングルピックアップの大半がこれ。
欠点は経年等による高域の劣化を指摘する向きがあるものの、
シングル特有の高域のハリが売りらしい。
フェンダーのオールドレプリカ系、ダンカンのシングル系などは、これ。
私のテレは、フェンダージャパンの80年代後半製で、ピックアップはフェンダーUSA。
おそらくアルニコ2と思われた。

②セラミック(フェライト) 
アルニコの欠点(高域劣化)を補う磁力の耐久性をもつ。
レンジの広さと出力の高さが訴求ポイント。
本流アルニコに対して、支流ってことになるか。
(フェンダーテキサススペシャル、ビルローレンスなど)
ギブソンはハンバッカーで一時期採用したが、不評で中止したことがあるらしい。
セラミックを敬遠する人も一定いるよう。
ストラトでは、ジェフベックモデルはセラミック。

今まで使ってきたフェンダ-純正との比較でガラリと変わることを方向性として
決めた。結果、ゴトーのカスタムモデル(セラミック)をペアで購入した。




2.交換作業



交換作業に不安はなかった。
が、しかし。甘かった。

音はでるものの、ノイズがひどい。
原因は、弦アース。
後で分かったが、テレキャスターの弦アースは、リアピックアップに隠れている。
ストラトみたいに、目立たない。
これに気づいて、最後の作業!・・・・・・ここで、雑になってしまった。

なんと、フロントピックアップ(新品)のコイルを切ってしまった。

これ、直らないので、もう1つフロント買った。(トホホ)

さて、作業段階の苦労を列記しておきましょう。

1.購入したピックアップの固定用スクリューネジのサイズが合わない。
新しいスクリューネジにブリッジプレートを交換するのは、コストもかかるし、
市販安物を買うと、「フェンダー」の刻印(小さいけど)が無くなってしまう
ので、オリジナルを継続使用したい。
⇒結論 オリジナルブリッジプレートのネジ穴を大きく削った。

2.あたらしいスクリューネジはプラス(+)、フェンダーテレキャスター52年は、
ご承知のとおり、マイナス。
リアピックアップ周辺の外観が少し変わります。
(気になる人もいるでしょうね。)
⇒リアピックアップ固定ネジで、了解。外観やむなし

3.フェンダーテレキャスターの弦アースは、オリジナル配線時では、
見えない。
(見えないに等しい。どににあるかを予め知っていて、
探さないとわからない。)リアピックアップに鉄板(ぶ厚いメタルプレート)がくっ付いていて、アース付けしてある。
新たに取り付けるピックアップにメタルプレートがない場合は、アースを増設する必要あり。
これ、苦戦しました。メタルプレートがないリアピックアップの場合のアース取りは、ポットとブリッジを配線して繋ぐことでアースはできます。
(「テレキャスター 弦アース」でWEB検索すると、いろいろ出てきます。楽器屋さんがこのアースを忘れるケースも、出てました。)

4.慣れない作業で作業が「ガサツ」になり、新品フロントPUのコイルを
切ってしまった!
(これ、すぐ切れますよ。絶対にさわらない方がいい。)ので、
5,000円コスト高になりました。
 

私のテレキャスターは、1987年製フェンダージャパン。30年の付き合い。
多くのパーツが摩耗、老朽で交換してきたが、ピックアップ交換作業の過程でも、
ジャックポットの半田が外れるなど、周辺の追加作業がたくさん発生した。
モノが古いので本当、ガタ来てました。

ひとつ、はんだ付けしては、他が外れる。
出来たかなー?と思って、ノイズをチェック。
この連続。上記の弦アースに気づくまで本当に疲れた。
私のような機械音痴がはんだ作業やると、やり直しばっかりで、時間かかった。

テレキャス完成

外見はほとんど変化ないですが、リアまわりの3つのネジが+になってます。

①配線サーキット交換(リア+フロントの直列機能の追加)
②コンデンサー交換
③ピックアップ交換 
合計コストは、13,000円ぐらい。
(フロントPUの2度買いは含めず

すべて、完結。

で、音ですが、気に入りました。
音が、かなり太くなった。
ピッキングのアタックを多く拾ってる気がする。
(特にナチュラルトーンのアタックがいい)
3ポジション+直列、合計4ポジションの違いが際立つようになった。
これは、かなりウレシイ。

ただし、少し残念なこともあって、「枯れたシングルコイル」のニュアンスはなくなった。
30年使って、アルニコが劣化していたんでしょうけど、それなりの良さもあった。
今回のピックアップは、セラミック。劣化しない(しにくい)利点あるとのこと。
私は、国産の「gotoh costom」。満足です。

惚れ込み長い付き合いの「妾」が、若返って、トシと忘れて、
オジサン大興奮ってところです。
(「妾」の意味は当ブログの「テレキャスター妾論」をご覧ください。)