ジェシ・エド・デイビス
ビートルズメンバーをはじめ、70年代のロックシーンで高い評価を獲得し、スライドギタープレーでは後続にも影響を与えたミュージシャンズミュージシャン。

インディアン出身のロックミュージシャン

ジェシは、生粋のインディアンである。インディアンの血の流れるミュージシャンといえば、ジミヘンドリックスが有名である。ジミの場合、彼の父がアフリカ系の父親とインディアンの母親との間に生まれたブラック・インディアンであって、ジミ本人は「インディアンの孫」であるのに対し、ジェシの場合、コマンチ族の父とカイオワ族の母の間に生まれたイディアン両親の子であって、生粋なのである。そのため、ルックスからもその血が垣間見える。ファーストソロアルバムには、インディアンの姿。(下の写真)3歳の頃にピアノ、6歳の頃にヴァイオリンと音楽的な英才教育を受けて育った。アマチュア時代には、リヴォン・ヘルム(後にザ・バンドで活躍するドラマー)やレオン・ラッセルとバンドを組んだことも。

jeese ed davis


Taj Mahal (タジマハル)

Taj Mahal

ブルースマン・タジマハルがバンド編成した際に、参加。「Statesboro Blues」のスライドで注目を浴びる。デュアン・オールマンのスライドで良く知られる曲となるが、デュアンもジェシのプレーを下敷きにしたとの説もある。4曲目に「Everybody's Got To Change Sometime」は、クラプトンがアルバム「Money And Cigarettes」でカバー。(オリジナルは、スリーピージョン)ジェシのプレーは、押弦(ノーマル)プレーにも良くて、ちょっとジャズ風で、かつトボケた、のどかなフレージングに味があり、タジマハルの枯れたヴォーカルとの相性がいい。


Giant Step

バンドスタイルとタジの弾き語りスタイルの2枚組構成の力作。ブルースに限定されず、ロック、ジャズ、カントリーなどのいろんなテイストをもったアルバム。その中で、ジェシのギターも器用に活躍。奥深い名作。




ソロデビュー



ジェシ・デイヴィスの世界
ジェシ・デイヴィス
1stソロアルバム。
1曲目「Rino Street Incident」 重いノリのスワンプ、独特な世界。
(スランプロックっていうジャンルは、ジャンルとしてあるのか?よくわからんけど、スワンプ風としておく。)
3曲目クラプトン参加のハイテンポなパーティロック風ナンバー。
ちなみに、収録されたクラプトンのソロフレージングを「流麗」と賛辞したレビューを見たが、まぁ、たいしたぁことは、ありません。こここそ、ジェシ自身に弾いてほしかった。
4曲目、ジョンレノンの「真夜中をぶっ飛ばせ」エルトンジョンの「サタデイナイツオールライト」風のロックンロール。「Every Night is Saturday Night」たぶん、ドラムはリンゴスター。(参加記録はあるが、曲のクレジットはない。)ただし、ジェシのヴォーカルなので、ジョンレノンやエルトンのような派手な仕上がりにはならない。後半4曲は名曲ぞろい。特にオリジナルの「You Belladonna You」がいい。ラストは、ヴァンモリソンの「Crazy Love」でしっとり〆る。それなりに、構成も考えてあって、好きです。

ウルル
ジェシ・デイヴィス
2作目。深みが増す。全編で素のテレキャスターの音が聴ける。
1曲目「Red Dirt Boogie Brother」得意のスライド
4曲目ジョージハリソンのカバー「Sue Me Sue You Bleus」オリジナルよりもブルージー。5曲目オリジナルバラード「My Captain」泣ける。
6曲目「Ululu」ちょっとビートルズ風な名曲。ラストは、旧友レオンラッセルの「Alcatraz」かっこいい。セカンドアルバム「Ululu」を最高傑作とすることが多いようですが、とっつきやすさは1St、深みはセカンド。私は、1Stの方が好きかな。有名ミュージシャンを迎え、カバー選曲のセンスも良い。オリジナル曲は、ブルース枠を超えた意外と広いジャンルの影響があるようで、聴きごたえがあり、けっこうな頻度で楽しむことになった。
ご本人のボーカルの弱さが、アルバム全体の印象を貧相にしている感あるが、慣れてくると女性コーラスとのコントラストが引き立つ結果になり、それなりにアジを感じる。

3作目。残念ながらソロ作はこれが最後となる。この後、ジョンレノンの一連のレコーディングに参加し、なお一層、評価をえるが・・・・。
前作「ウルル」が奥深くアーシーな作風で高い評価を受けたが、本人は満足できず、方向転換。ホーンを大胆に導入し、やや売れ線に。ハツラツとした冒頭のロックロールインストから2曲目の流れは凄くカッコいい。2曲目のヴォーカル(本人)は、1・2作目より格段に上手くなっていると感じる。(ただし、他の曲では、いつもダラダラユルユルにもどる)インスト曲が4曲あるが、ホーンとギターの絡みは、予想以上に面白い。
いたるところで、独特のチョーキングが印象に残る。ギターサウンドは、テレキャスのフロントOrセンターがいい音してる。ドラムはジムケルトナー、キーボードは、ジムゴードン(あの、ドミノスのドラムの人がキーボードで参加。「レイラ」の後半のインストパートを書いた人)



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編集ベスト+未発表曲




著名ミュージシャンのアルバムに

ジェシは、自身のソロアルバムよりも、ゲスト参加した作品において、より多彩なギタープレーを披露しており、その芸風の深さに驚かされる。代表的な作品は、ビートルズがらみ。

レノンのソロアルバムの中では、他の有名作品に埋もれた感ありますが、実は非常によくできた傑作。これがナンバーワンという人さえいる。(オノヨーコさんが全くかかわっていないので、ヨーコさんに遠慮してこれを評価しない、という説あり)
ジェシのギターは洗練されたワウをカマしたオブリガードで大活躍。
なんといっても「真夜中を突っ走れ!」です。ジェシさんにとっては、レノンとエルトンジョンと共演のバックを務め、全米No1となったことは、ギタリスト冥利の極みだったでしょう。(これで浮かれて麻薬と酒に溺れたとの説)

ROCK 'N' ROLL
JOHN LENNON
EMI UK
2010-10-04
スタンドバイミー収録。名演。
射殺事件直後のニュースはこの曲が一番多かった記憶ですが、違うかな?



Extra Texture
George Harrison
Capitol
2014-09-23
「ホワイルマイギタージェントリーウィープス」の姉妹曲?である「ディス・ギター・キャント・キープ・フロム・クライング」で、クラプトンの対抗馬として、泣きのソロを披露。その他の曲でも大活躍。


No Reason to Cry
Eric Clapton
Polydor / Umgd
1996-09-10
「ハローオールドフレンド」で印象的でキレイなスライド披露。ザ・バンド、ディランも参加。クラプトン余裕の道楽アルバムってところか。そういえば、バンドのロビーロバートソンはインディアンとユダヤの混血だそう。




ジェシは、ジョンレノンとの仕事でギタリストとしてピークを迎えるも、40代でドラッグとアルコールに溺れ、40代で亡くなってしまう。
ポール以外の3人のビートルメンバーのソロに参加して、個性あるギターを残し、クラプトンに認められ、その勧めでソロアルバムを制作、十分なギタリスト人生だったといえましょう。 

他に、リンゴ・スターやロッド・スチュワートのアルバムにも参加しています。

おしまい。