クラプトンは、3大ギタリストの中で一番、ライブアルバムをコンスタントに発表している。(ブートレグを含めない、オフィシャル音源のみの話)ジミーペイジ(レッドツェッペリン)やジェフベックは、若い頃のライブ音源は公式発表されておらず、後年やや増えきてきたが、クラプトンは歴代のそれぞれのバンドで公式発売してきたため、ライブにおけるギタープレー、ギターサウンドの変化を確認することが出来る。

ブルースブレーカーズ時代

Stages by ERIC CLAPTON (1998-06-30)
エリックの経歴を横断して、ブルース曲を中心に編集したCDで、スタジオとライブが脈絡なく集められている。この中に、ブルースブレーカー時代の「ストーミーマンデー」のライブが収録されている。(他のCDにも収録されているかも)



アンソロジー ~ Crossroads
エリック・クラプトンのオールタイムベスト的編集盤、4枚組
ディスク1に、ブルースブレーカー時代の「愛の経験」が収録されている。


上記の「ストーミーマンデー」「愛の経験」ともに、録音バランスはあまりよくなく、ボーカルはオフ気味、リズム隊の音分離がよくない。が、しかし、クラプトンのギターは良く聴こえる。レスポール+マーシャルと思われる歪んだ音は、スタジオよりもワイルド。長いサスティーンを活用したフレージングが多い。

クリーム時代


Live Cream
Cream
選曲がデビュー盤中心で、ヒット曲が収録されていないので、注目されない傾向ある?が、しかし、最盛期のクリームの白熱した演奏が聴ける。壮絶なインプロビゼーションだけでなく、クラプトンとジャックブルースのコーラスがキマる「スリーピータイムタイム」など、流石超一級のライブバンドであったことが判る逸品。


Wheels of Fire
Cream
スタジオとライブのペア2枚組。
「クロスロード」「スプーンフル」で有名なライブ。これを聴かない事にはクリームは始まらない。




ライヴ・クリームVOL.2

Vol1が地味な選曲であったことを反省したのか、ヒット曲を中心に構成されたライブ。Vol1に比べると、やや粗い演奏で、音質についても各パートの分離が今一つであるため、インプロビゼーション合戦もそれほど盛り上がっていないと感じる。







デレク&ザ・ドミノス期



Live At The Fillmore
DEREK AND THE DOMINOS
こっちが手に入りやすい。


が、しかし


In Concert
Derek & Dominos
古いヴァージョンのこっちが好き。
なんといっても、「恋は悲しきもの」「レットイットレイン」の出来が全く異なるんです。
この2曲は、この時期のアップテンポ曲の代表であり、重要曲。
バンドの「締まり」がこっちが上。なんでリニューアル盤の上記で差し替えたのか?納得できない。「レットイットレイン」の勢いは、この前にも後にもないsomethingがある。
ちなみに、「愛の経験」「プレゼンス・オブ・ザ・ロード(これがイイ)」あたりのスロー系は同一テイク。今、新品は国内・外盤ともに手に入りにくい。

イン・コンサート(紙ジャケット仕様)
デレク・アンド・ドミノス
ユニバーサル ミュージック
2016-03-23






ソロ期



Rainbow Concert
Eric Clapton
評判の悪いライブだったが、CD化に伴い曲数倍増と音質UP。
クラプトンは歌もGtも調子は良くはない。
が、クラプトンのフレージングにいい意味で「角(カド)」があり、ロックを感じる。
この「角」は、その後どんどんなくなる。
この「角」はブラッキーをオークションにかけて手放すころには、完全になくなる。
「弘法筆を選ばず」というものの、選ばぬことを選択したら、弘法でなくなってしまった。
(腕は、その後、匠になっている感もあるが、ロックがなくなった。)
                

デラックス版になって、74年(461発表直後)のライブが追加されて評判イイみたい。
1曲目の「スマイル」はチャップリン作で、名曲。
なかなかいい雰囲気のライブなんだけど。
メリハリ、もう一歩欲しい・・・か?
イイんだけど!(贅沢言っちゃいかんか・・)


Ec Was Here
Eric Clapton

評判高いライブ。上記より数年たって、ソロライブにおけるメリハリが多少ついた?感じ。ギターソロや女性コーラスとの掛け合いなどにメリハリあり。
ギターはギブソンエクスプローラー。リバーブ深め。好みは別れると思う。
(私はこの音は苦手で、このCDを敬遠してしまう原因になっている。)



ソロになってからは、これが一番か?地味だけど。
バック(ご本人も含めて)全員イギリス人。
女性コーラスなし。
地味なリスム隊をバックに素っ裸のホワイトブルースマンECの鮮度が高いライブ。
アルバートリーとのコントラスト、長い曲と短い曲の配置など、全体のメリハリは意外と効いている。ブラッキーの「枯れ」と「抜け」が満喫できる。


その後も、「24ナイツ」「アンプラグド」・・・・などなどリリースされるものの、ECのロックな「角」はない。
ブルースじゃなくてロックギタリストであることを忘れ、ブルースに心酔し、ポップをつまみ食いしているうちに、「GOD」はいなくなってしまった・・・・・。




BB