ボブディランのブートレグシリーズ、Vo1~3の3枚組発売は、90年代初頭。
既に25年以上経過し、最近発売されたVo13まで続いている。
未発表ヴァージョン、ライブがこれだけ多く発売され、かつ、それが好評なアーチストも
珍しい。
ライブについては、伝説の『ユダ!』で有名な「アルバートホールライブ」、
「ローリングサンダーレヴューライブ」は、ブートレグシリーズの真骨頂で問答応用の傑作。

一方で、賛否両論のマニア向けもあって、ここではソレについて。

 
ANOTHER SELF PORTRAIT (1969 - 1971) - THE BOOTLEG SERIES, VOL. 10 (JEWEL CASE)
BOB DYLAN
69年から71年、作品では「ナッシュビルスカイライン」「セルフポートレイト」「新しい夜明け」の3作の時期。
「ナッシュビル~」については、ディランの爽やかな発声スタイルが話題になったが、「ブロンドオン~」までの怒涛の傑作ラッシュと比較すると地味。
「新しい夜明け」はジャズ風の曲調にも挑戦した意欲作なれど、全体的に暗い。デビュー後、はじめての低迷期における未発表集で編曲中、レコーディング中の試行錯誤の過程が聴ける。(一部、ザ・バンドとのライブも収録。これがいい。)


Tell Tale Signs: Bootleg Series 8 (Sba2)
Bob Dylan
こちらは、89年から2006年、作品では、「オーマーシー」「アンダーレッドスカイ」「ワールドゴーンロング」、「タイム・アウト・オブ・マインド」まで。
80年代の「絶不調期」を脱して、「オーマーシー」で意欲的作品なれど、
ヒットせず、その後もモガキ続け、「
タイム・アウト・オブ・マインド」で完全復活するまでの低迷期。(これも一部ライブ収録)

この2つのブートレグシリーズに共通して驚くことに、アルバムのプロデュースやコンセプトが、曲の印象を全く変えてしまう事がある。オリジナルアルバムでは気づかなかった曲の「素の魅力」に気づくことがあるんです。派手な洋服と化粧を取ったら、思ったよりも全然興奮しました!みたいな感じ。

っていう良さがあります。

ディランの記事はあまり読まれないので、これぐらいにしますが、
この2作、買う事を迷っている方は、即買いをおすすめします。