パーツを買い集め、約1年間かけてテレキャスターを作った。不器用な私でも何とか出来上がった。あれこれ、まとめておきます。参考になれば幸いです。

2019/01/27


自作のポイントは、なるべく良いパーツを安く仕入れること。したがって、急がず、ゆっくりパーツを検討し、集めること。組み上げ作業も急がず、確実に。


スタートは、交換用テレキャスターネック(フェンダーメキシコ製)を購入したことから。

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輸入品であるため、為替の影響で変動します。また在庫数によっても大きく変動するようなので、なるばく多くの販売ルートを確認することをおすすめします。(これはネックにかぎった話ではなく、他のパーツにも言えます。)ネックやボディは価格が嵩張るため、すぐに1万円程度の差が出てきます。
ボディ、ネックについては、デジマートが一番、在庫豊富で比較的安い印象です。
私は、ネックはデジマート、ボディはアマゾンで購入しました。
Fender Telecaster ネック - Maple Fingerboard (海外取寄せ品)
Fender Telecaster ネック - Maple Fingerboard (海外取寄せ品)




シンラインの白を探したが、色のバリエーションが少なく、ナチュラルとサンバーストしかなかった。塗装を自分でやる予定もないため、迷いに迷い、シンラインサンバーストに決定。これもメキシコ製。


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ボディとネックがそろったところで、パーツを徐々に購入し、パーツの組み込みを開始。

まずは、ボディの弦ガイド=ブッシュを購入。
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ブッシュの組み込み作業に意外に大変。ブッシュ用の穴はかなり小さめで、彫刻刀で慎重に削りながら、組み込む。作業時間は半日程度はかかりました。

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ペクの取付。
ペグは、所有しているストラトキャスターのシュパーゼルロック式が好きなので、同様のペクを探す。現在は、フェンダーもロック式をパーツで販売しているので、それに決定。これも通販で購入する場合、同じ商品で2,000程度の価格差がありました。

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Fender American Standard Series Stratocaster/Telecaster Tuning Machines Chrome (6個)《ギターパーツ/ペグ》【ご予約受付中】【ONLINE STORE】
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こっちは「輝き」が強いキレイなヤツ(☟)上より、2000円程度、高くなる。
見栄えはかなり違う。上記の安い方で見積もり。

Fender フェンダー チューニングペグ LOCKING STRATOCASTER/TELECASTER TUNING MACHINES POLISHED
Fender(フェンダー)






外見に大きな影響のあるピックガード選び。これは本当に苦労しました。
シンラインのピックガードは、標準的には、下記のようなタイプ。


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プレートもインチ規格かミリ規格の問題あるので、とりあえずフェンダー製で。


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1.完成品の外観


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コントロールパネルをミラー(プラスティック)(↑)にしてみた。

下は、ウォルナット(木)製のパネル(↓)
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ウォルナットは高ついた。無駄遣いになってしまった。
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ミラーのほうが、カッコいい。
普通、こっち選ぶと思うんだけど、最初はウォルナットのほうがいいと思っていた。私は、なんでも1回目、間違るんだよな。そんな人生を送ってきた。最初の選択はたいがい間違っている。女房にぶつかるまでは、かなりの間違いを繰り返した。ま、いいや。

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2.音


パソコン搭載カメラの録画なので、ドンシャリ気味ですが。
それでも、Fホールのエアー感は少し感じられます。



3.コストまとめ

採用パーツの合計金額
ボディ   45,000円
ネック   28,000円
ブリッジ   6,500円
ピックアップ 
フロント(ゴトー)4,500円
リア(フェンダー)7,500円
ペグ       9,000円
ボリュームポット、トーンポット、セレクター
コンデンサ 配線関連 3,000円
ピックガードとコントロールパネル 10,000円
ボリュームトーンのノブ 1,000円
ネックとボディのジョイントパネル 2,300円
ジャック、ジャックガイド 1,500円
弦のホールガイド・ブッシュ、1,500円

およそ、120,000円なり。

上記は、最終的に使ったパーツ。
その他に、買ったけど採用しないパーツ、加工に失敗したパーツ、作業用の道具などの出費が25,000円ぐらいあり。

ボディ、ネック、ペグ、ブリッジは、値段の嵩張るパーツで、アマゾンとサウンドハウス、デジマートを比較して安いところで購入できた。同一品でかなりの値の違いがあり、このあたりでトータル2万ぐらいは差がでると思われる。また全体の設計図を事前に、詳細に決定していれば、私のような無駄な出費は抑えられて、12万以内で仕上がっただろう。

今回は、おおよそ 合計 150,000円

さて、完成した今、15万円で、このシンラインテレキャスターを買うか?と訊かれたら・・・・
「買います!」と返事できます。
15万円ぐらいのギターって、全般的に、微妙な価格帯だと思っている。
アウトレット特価品を除くと、15万円程度のギターは「こうあって欲しいギター像」に対して、なんらかの廉価対策が打ってあると思う。(偏見かもしれません)
その目線からすると、個別に交換する時に買う対象となるパーツ(例えば、ロック式ペグ、オクターブ調整に優れたテレキャスブリッジ、出力高めのフロントPU、など)を集めているので、納得できない廉価パーツは使っていない点は、オリジナル製作のメリットだと思う。(これを自己満足と言う。)


4.作業工程

出来上がってしまうと、特別に難しい作業はなかった。 ピックガードを独自に加工したので、そこは負荷あるが、特殊な加工をしない限り、つまりスタンダートなモデルを目指す場合は、慎重に、着実にすすめば、十分素人でもやり切れる。

それでも注意を要する点、私は困った点

・弦ガイド(ブッシュ)、ジャックガイドの取り付け 簡単に組み込めないのが、これは装着後の固定状態の安定化のために「キツイ」のであり、無理せず、慎重に削る作業が必要。

・ネックの装着 初回組み上げ時、ネックのサイズを疑うほどの状態となり焦ったが、既存所有のテレキャスター、ストラトキャスターのネックと厚さを比べたら、1ミリの違いだけだった。それで削りは不要と判断し、「シム」の差し込みで、解決した。シムの差し込みは、素人の加工手法では、一般化していないと思われるが、ネックの角度調整、弦高の引き下げには、簡単で有効な調整方法であることを実感した。

参考になります⇒(リンクあり)シムを使ったネック角度の調整方法をプロが教えます!

・ピックアップ配線
テレキャスターのピックアップ交換で、ノイズの原因となるアースのつなぎ方、2つのピックアップの位相が逆の場合のアースの取り方(ノイズ軽減対策で、わざと位相を変えてあるピックアップは結構多い)は、参考になった。(↓)
ノイズの原因がわからない時
(リンクあり)ギターの音が出ない?!配線トラブルの傾向と対策 

テレキャスターのピックアップを変更作業で、アースに原因があると思われる時
「ギターの花道」
(ここも、改造・メンテ情報充実)(↓)
(リンクあり)テレキャスターのピックアップを交換して異常なノイズが出た時の対処



5.使用感

・重量2.8kg。
すんげぇ、軽い。立って弾くときヘッドが落ち気味になるけど、この軽さはうれしい。
アッシュのFホールくりぬきボディって、軽いのね。音も乾いて軽い印象。

・ネック
ポリ塗装のサテン仕上げ。ポリエルテルのベタっとした感じがなくて、サラサラ。この値段なら十分だね。フレットはすり合わせがされていない?のか、ジャンボフレットのわりにチョーキングしにくい。多分、弾き倒しているうちに、ほどよくフレットが減ることで解決するものと思う。

・ピックアップバランス
テレキャスターはリアの主張が強いにもかかわらず、ミドルポジションの音がフロントに寄り過ぎる携行にあると思う。(私見)なるべく、ミドルポジションは、リアとフロントの「まさに中間」の音が欲しいのだが、本器は本当に中間になった。スリーポジションがほぼ均等に鳴る点は、満足。(ただの偶然。)

・オリジナルコントロールパネル
デザイン的の非常に困った個所だったが、出来上がってみると、斜めになったピックアップセレクターがストラトキャスター的で、一般のテレキャスターよりも操作しやすい。

・サウンド特性(というほど、語れないが)
生音が気持ちいい。音のピンとしてクセがない印象。
一方で、パワーはない。シングルコイルのセミアコボディなので、パワーの無さは、エピフォンカジノに似ている。音の軸が細い。ナチュラル音のコード音に厚みがない、だからロックであまり使う人がいない理由かもしれない。そういう機種だな、シンラインは。
ドラムをブラシで鳴らすような、隙間の多いバンド編成で、チープかつオシャレな音でプレーできたらいいと思う。

先日、ブルースセッションに本器で参加したが、パワーの無さは気になったなぁ。その日は、ギターが4人しかいなくて、他の3人は、凄腕の335軍団。せっかくデビュー戦は完敗。音も腕も。