There & Back
Jeff Beck
1980年の作品。
前2作がジョージマーティンがプロデュースした、歴史的名作であったため、やや知名度はさがるものの、ファンの人気ランキングがあるなら、上位にあると思う。
プロデュースは、ベック本人 と ケン・スコット。ケン・スコットのことは何も知らないが、ヤンハマーのカラーが強く、プロデュースしているか?と思ったら、違った。ベースは、モ・フォスター、ドラムはサイモン・フィリップス、キーボードにトニーハイマスも。それぞれ素晴らしい。
一番、ぶっ飛んでる演奏は、「Space Boogie 」、この曲の作者でもあるサイモンフィリップスは、「あれは、ジェフには難しすぎたね」語っているが、十分弾き切っているではないか?

これを聴くと、ベックのプレーは、ある意味テクニカル的にピークにあったように感じることもある。
(当然に「ワイアード」もぶっ飛んでいいますが。)それは、ピッキング。このアルバムで聴ける激しいピッキングは、ベックのピッキングの「仕納め」だった。83年のアームズコンサートでは、もうピックは使っていない。


The Arms Benefit Concert
Eric Clapton & Friends
Immortal
2011-03-11


やっぱりベックは、指弾きとピッキングの混合が良かったね。

このアルバム、ギターの音もすばらしい。ワイルドに歪んだ音、コンプレッサーかかったようなナチュラルトーン、様々ですが、全体的には、ハリがあって、エッジが立っている印象。このアルバムでは、メイプルネックのサンバーストのストラトキャスターを多用しているのではないか?
jeffbeck-80tokyo-1st-night1

この頃の写真には、メイプルネック多い。
その後、ベックはローズネックの使用に戻り、後年、メイプルネックを見かけることはなくなった。

拙者は、ローズネックを好むが、実際の音は、メイプルの方が好きなような気もする。ジェフベックグループの「オレンジ」などは、ローズネックっぽい、太い音も大好きだけど。YouTubeにデジマートが企画した、ローズとメイプルの音の違いの実験がある(→リンク「ストラトキャスターの指板、聞き比べ」)だけど、これ聴くと、「ああ、俺は、メイプルの方が好きなんだ。」と。


ローズとメイプルの音の印象


聴き分けできるほどの明解は相違はないと思うけど、よく言われる違いを列記すると

ローズネック

中域が出る、音に粘りが出る、太い、うねる、グォーン、暗め、 コロッ、ポコッ(上記のデジマート映像・音源では、コロっての、感じる)

メイプルネック


ハリがある、立ち上がりがいい、シャープ、エッジが立つ、明るい 


リッチーブラックモアが、レインボーの中盤から、ローズネックに移行するが、それらしい変化があったと感じる。