トリヴィア (trivia) は、日本語では「くだらないこと、瑣末なこと、雑学的な事柄や知識、豆知識」など。この記事では、ヤードバーズの魅力(そもそも魅力はあるのか?)に「どうでもいいこと」やブログ管理人の妄想を付け加えて、お知らせします。新コロナウィルスで暇なのでヤードバース聴いて考えました。
ザ・ヤードバーズ
エリッククラプトン、ジェフベック、ジミーペイジ、3人の大物ギタリストが在籍したことで有名な英国のロックバンド。3人が有名過ぎて、ヤードバーズを聴く人の大半は、この3人の(いずれかの)ファンが彼らの経歴を遡ることで遭遇する。その際の印象は、「なんかしょぼいなぁ。」である。バンドのセールスポイントがハッキリしないところが弱点で、R&B、サイケ、ポップ、さらに時にハードロック風味もありながら、今一つ掴みどころが無い、それはバンドのロゴマークにも表現されている(?)気がする。
もうちょっとセンスのいいロゴには出来なかったのかなぁ~
なお、仲井戸麗市氏のようにヤードバーズのファンとして、その後に、3人のギタリストを聴く人も稀に存在するが、それは彼らの年齢が65歳以上であることだけが原因である。
トリビア1・クラプトンが加入する前のギタリストは今もヤードバーズで活躍している(?)
エリッククラプトンはヤードバーズのオリジナル・リードギタリストはありません。エリックは2代目です。で、ジェフベックは3代目で、ジミーペイジは4代目です。
初代リードギタリストは、トニー・トップ・トーパム。ヤードバーズを脱退した後の活動は不明ですが、2013年にジムマッカーティ(ドラムス)がリーダーとなってヤードバーズと名乗るヤードバーズの後継バンドに復活参加しています。(米国ウィキペディアより)
ハッキリ言って恐縮なんだけど、ヤードバーズの元メンバーの中で、存在感の薄い2人が、最後までヤードバーズを演じている状態であります。
トリビア2・なぜ3人ともテレキャスターを使用したか?
エリック、ジェフ、ジミー、3人ともヤードバーズ時代は、メインギターはなぜかテレキャスターでした。その後の3人の使用ギターを考えると、なぜ?と思いませんか?
ほらね。
ベックも。
ほら。
ペイジも。
これはただの偶然か?偶然だとすると、話が終わってしまうので、仮説を2つ。
1つは、ヤードバーズのバンドサウンドに合わせた説。
この説は、エリックとジェフの時代は、一定当てはまる。
エリック在籍時は、R&Bを軸にしながらも、オリジナルよりもアップテンポで、ロックっぽいビートでグイグイ引っ張るイメージ。このバンドサウンドにテレキャスターはぴったりだ。
ヤードバーズのバンドとしての勢いは、デビュー盤「ファイブ・ライブ・ヤードバーズ」が一番だ。
クラプトンのロックンロールプレーは、実はこの時が人生でピークかもしれない、ってほどの勢い。クラプトンでは珍しい「前のめり」のギタープレーが聴けます。
ジェフベック期は、ギターがバンドサウンドからは浮くぐらい目立っていて、別名「ジェフベック&ザ・ヤードバーズ」みたいな感じ。ギターの音はファズを使ってもテレキャスター(エスクワイア?)っぽいニュアンスは残っている。ギタープレーそのものもいい意味で浮いていて、それがジェフ在籍時の売りになっている。クラプトン在籍時よりも、ポップ&サイケなバンドとなり、ちょっと2流な感じも漂う。
後半に、ペイジ期も収録されているが、それは面白み無し。
ボブディランのカバー「我が道を行く」も収録されているが、まったくセンスのないカバーで、困っちゃう出来である。
ジミーペイジ期は、すでに「Dazed & Confused」などヘヴィなロックを指向しており、テレキャスターにこだわる必要性はあまり感じられない。それに、ペイジは既にレスポールカスタム(ブラック・3ハム)を所有していたはずなんだけど、エリック、ジェフの流れに合わせたのかもしれない。(なお、そのレスポールカスタムは、ZEP結成までに盗難に合ってしまった。「ジミペイジインタビューより」)
ヤードバースにおけるペイジを聴くなら、これはおすすめ。
有名な海賊版「Live Yardbirds! Featuring Jimmy Page(下の写真)と同じ音源。ここでのペイジのギターソロはZEP期を含めてキャリアで一番うまい、との意見もありますが、それは本作をほめ過ぎ。(やはりペイジの腕のピークは72~73年でしょう。)
有名な海賊版「Live Yardbirds! Featuring Jimmy Page(下の写真)と同じ音源。ここでのペイジのギターソロはZEP期を含めてキャリアで一番うまい、との意見もありますが、それは本作をほめ過ぎ。(やはりペイジの腕のピークは72~73年でしょう。)
第2の説、個人的にはこれが真実と考えておるんだが、3人とも、まだお金が無かったじゃないかね?
3人がヤードバーズで活躍した63~66年ごろ、フェンダー社のメインはストラトキャスター、複数回のモデルチェンジを経てカラフルなモデルが出回り、テレキャスターを上回る人気があったはずで、あえてそれを使用するのは、「廉価だったから」ではないか?(実際、テレキャスターは一時生産中止も検討されたが、それでも需要は底堅く、モデルチェンジを加えながら、生き残ったらしい。)
実際、クラプトンは自伝で「ヤードバーズで、そこそこの収入を入ったので、ES-335を買った」と。ベックは、ヤードバーズの途中から、レスポールを使い始めるが、これも、銭が入ったんだよ。きっと。ペイジは、スタジオミュージシャンとしての地位を確立していたようなので小銭をもっていたんだだよ、それでレスポールカスタムを持っていたんだけど、大事にしまっていたんだな・・・たぶん。(もう、この話、あまりおもしろくないから、おわり)
トリビア3・なぜ3人ともテレキャスターからレスポールに?
エリックはヤードバーズを脱退後、ブルースブレーカーズで、レスポールを使用した名演を残した。ジェフもヤードバーズ途中からレスポールを併用したようで、その後のジェフベックグループ(第一期)では、レスポールをメインギターとした。ジミーは、ツェッペリンのデビュー盤までテレキャスターをメインとしたが、セカンドから大半でレスポールをメインに。彼らが同様にレスポールに切り替えたのは何故か?当時ハードロックギター=レスポールの図式はまだ無かったとされ、むしろレスポールはジャズギターだった。フェンダー系はカントリーやサーフミュージック系、ES335などのセミアコはブルース、そんなイメージだった。 そんな中で、3人が共にレスポールを使用するに至った理由、それは、やっぱりレスポールの太い音を求めたのでしょう。(特にオチはないのです。)ここは、やはりエリックのブルースブレーカーズで出した音の衝撃が大きかったのでしょう。また、それぞれのバンド(クリーム、ジェフベックグループやZEP)も大きくヘヴィな音を求めていて、それに応えるには、ハムバッカー搭載でサスティーンが特に長いレスポールが一番だったのでしょう。
・・・・それにしても、さらにその後、クラプトンとベックがストラト使用に移行し、ジミーペイジも「プレゼンス」あたりからストラトをプレーするに至るのは、興味深いですな。
トリビア4・ヤードバーズを卒業するとビッグになる。
冒頭に書いた通り、ヤードバーズはセールポイントのハッキリしないバンドで、メンバーの個性(外見と才能ともに)も、それほど立っていない。そんな中で、クラプトンとペイジはハンサムで類まれな演奏技術を誇っていたし、ベックに至っては宇宙人的なセンス、ジャズミュージシャン並みの閃きを持て余す状態だったのだ。そりゃ、ヤードバーズ辞めて、それぞれの器に合う連中とやれば、ビッグになるわな、って話で終わります。
コメント
コメント一覧 (9)
ヤードバーズですが、本文で主様が書かれておりますように、仲井戸麗市氏や、私が知る限りではサンハウスの鮎川誠氏や柴山俊之氏、ゴールデンカップスやピンククラウドに在籍したルイズルイス加部氏のように、単なるヒット曲だけにとどまらず、それこそ本格的にブルースやロックを追求していきたい方々には、熱心には聴かれていたようですが、一般的に知られていたのは、「フォー・ユア・ラブ」と「幻の10年(Happenings Ten Years Time Ago)」位だったみたいですね〜。
私が好きな松村雄策氏(雑誌「ロッキング・オン」創始者の一人で、現在も同誌に文章を書かれております。)も、
「当時は一般的にあまり知られていなかったヤードバーズを、過大に評価する最近の論調には違和感を覚える。」
といった内容を、著書で書かれておりました。
(続きあります)
とっつあん
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(続きです)私も本文で紹介されているアルバムは所持し聴いておりますが、
確かに『ファイブ・ライブ・ヤードバーズ』はクラプトンのギターとポール・サムウェル・スミスのベースに勢いがありますし、
『ロジャー・ジ・エンジニアリング』は、ベックのギターがいい意味で変ですし(前述の加部氏も、「この頃の、どこに行くか分からないベックのギターが大好きだったし、ポール・サムウェル・スミスのベースは、俺がカップスでベース弾く時に大いに参考にした。」と語っておりました。)、
『Yardbirds 68』は、ジミー・ペイジがツェッペリン的なことをやりたがってるのが聴いていてよく分かります(一時期、ジミー御大は、『Live Yardbirds!』は黒歴史として認識しており、廃盤になるまで買い占めていたというトリビアがありますが・・・)が、
共通して言えるのは、ぶっちゃけ音が細いですよね〜( ̄▽ ̄;)
まあ、けれども、三大ギタリストが次のステップへ進むための大きな礎であったこと、
例えるなら、70年代以降のハードロック、もしくはブルースロックがクロマニヨン人だとしたら、ヤードバーズはアウストラロピテクスであったことは、紛れもない事実だと思いますw。
家にこもってエネルギーを持て余していたので、無駄に長々と、しかも2コメントにわたり書き綴ってしまい、大変失礼致しました( >_< )
それでは!
とっつあん
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とっつあん
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ヤードバーズ、Zepと比べられて力不足を指摘されることが多い(特にレルフの歌)のですが、'60sブリティッシュ・ビート好きの人の意見だと、プラントの歌はパワフル過ぎて好きじゃないとのこと。ボンゾのパワードラムがあって成り立つのがプラントの歌。単純に個人の技量の問題ではなく、バランスの問題です。やっぱり、ヤードバーズのボーカルはキース・レルフが最適なのです。
とっつあん
がしました